【物語3】ハゲ子の前に、女性先輩が現れる。そして幸せな日々に、暗雲が立ち込め始める

薄毛物語

彼氏と付き合って半年経ったころ、季節は春になっていた。

新入社員と人事異動してきた人で、社内は若干バタついていた。

 

【物語3】ハゲ子の前に、女性先輩が現れる。そして幸せな日々に、暗雲が立ち込め始める

女性先輩(Aさん)の登場

1年前まで新入社員だったハゲ子も、2年目の年。

昨年に比べて少し余裕がでてきた。

 

そんな時だった。

ハゲ子の部署に、5歳年上の女性先輩(Aさん)が異動してきた。

 

Aさんは、他県から異動してきた。

とはいっても隣の県からなので、ハゲ子が勤めている会社周辺の地理は多少知ってるようだ。

また数人知り合いもいるようで、すぐに部署内外の人たちと打ち解けていた。

 

 

 

5月に入り、少し遅めの歓迎会が開かれた。

主役はAさん。(Aさん以外の人もいます)

 

この歓迎会は、ハゲ子の歓迎会のときと同様、他部署と合同で行われた。

ということで、ハゲ子の彼氏も一緒に参加した。

 

 

例のごとく、席はくじ引きとなった。

今回の歓迎会では、ハゲ子と彼氏はバラバラの遠い席。

でももう付き合って半年以上の経つのだから、なんとも思わなかった。

 

彼氏は、Aさんの隣の席に当たったようだ。

歓迎会が始まり、徐々にお酒が入って、周りのみんなんが陽気になっていく。

ハゲ子もお酒は弱いが、その場の雰囲気が楽しく、ついお酒が進んでしまった。

 

Aさんと彼氏が急接近?

ふと、彼氏の方に目をやった。

その時だった。

 

彼氏とAさんがすごく親しげに話している光景が目に入った。

 

とくにAさん。Aさんはずっと彼氏の腕を触ったり、頭をなでたりしている。

 

「え?なんでAさんあんなに彼氏のこと触るの・・?」

 

すごく嫌な気分になった。

彼氏も彼氏で、まんざらでもない様子。

ふたりで楽しそうにずっと会話をしている。

 

 

たぶん、Aさんはかなり酔っていたのだろう。

甲高い声で笑いながら、ハゲ子の彼氏を見つめ、会話し、そしてボディータッチ。

彼氏はそれを嫌がらずに、されるがままっだった。

 

「Aさんは酔っぱらってるみたいだし、しかも今日は主役だし、彼氏もきっと我慢してるに違いない」

そう自分に言い聞かせて、すっごく嫌な気分だったけど、気持ちを抑えて歓迎会を終了した。

 

 

 

 

歓迎会(金曜日)が終わった翌日の土曜日、ハゲ子は彼氏の家でお泊りデートだった。

そのとき

「昨夜は随分Aさんと仲良くしてたみたいだけど・・」

と少しやきもちを焼きながら聞いてみた。

 

すると彼氏は

「バカだな~。Aさんは相当酒飲んで酔ってただけで、俺はただその相手をしてただけだよ!心配すんなって。」

そう言って笑ってた。

 

ハゲ子はその言葉と笑顔で安堵した。

 

Aさんの態度が激変

しかし、休日明けの月曜日から、Aさんの様子が変わった。

頻繁に、ハゲ子の彼氏に会いに行くようになったのだ。

 

それはもう露骨で、だれがどう見ても、Aさんは佐藤さん(ハゲ子の彼氏)に惚れていることがわかった

 

 

日に日にその行動はエスカレートし、お昼休みには彼と一緒に食堂でごはんを食べたり、帰りは待ち伏せをして、一緒に帰る姿も目撃された。

 

さすがに行き過ぎた行動に、だれかが

「佐藤さんは、ハゲ子ちゃんと付き合ってるんだよ」

と言ってくれたらしい。

 

 

その話を聞いた日から、Aさんがハゲ子に対する態度が変わってしまった。

 

まずは、無視をされるようになった

おはようございますやお疲れ様など、普通のあいさつをしても無視をされる。

 

業務中、雑談で周囲の人と喋っていると、睨まれる

 

そして、「喋ってないで仕事してよ」と注意されるようになった

今までそんなこと言われたことはなかったのに、、

 

 

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髪が薄いとバカにされる

そんなことが一ヶ月も続いたある日、ハゲ子にとって衝撃的な出来事が起きた。

その日は社内研修があって、2時間ほど業務を離れ、社内別室で研修を受けていた。

 

研修が終わり、自分の部屋(部署)に戻ろうとした時だった。

ドアが半分、開いていたのだ。

そしてその開いたドアの向こうから、Aさんの声が聞こえた。

 

 

ハゲ子って、髪薄いよね。地肌見えてるじゃん。あの年齢であの髪の薄さって、ヤバくな~い?!」

 

 

ケラケラ笑いながら、Aさんの話声が聞こえてきたのだ。

 

 

その瞬間、私は全身が硬直した感覚に襲われた。

体が動かない、そして頭の中は真っ白に・・

真っ白というより、「え?」という感じで事態を飲み込めなかったと言った方が正しいかもしれない。

 

 

なんとか状況を理解しようとAさんの言葉を思い出す。

 

 

” 髪が薄い ”  “地肌が見える ”  “ヤバイ”

 

 

思い出した途端、頭がパニックになった。

 

(え?え?Aさんは、なんてこと言ってるのよ・・!)

 

 

パニックになったのも束の間、今度は一気に恥ずかしさがこみ上げてきた。

「私が髪が薄いと笑われている」とようやく理解して、恥ずかしくて恥ずかしくて、顔が真っ赤になった。

自分でも自分の顔が赤くなっているのがわかる。

 

 

顔だけじゃない、頭も熱くなっているのが感覚でわかる。

それくらい顔と頭に熱が集中したのだろう。

熱のせいか、頭が若干フラフラしてきた。

と同時に、心臓の鼓動が半端なく大きく、そして早い。

 

 

 

 

バク、バク、バク、、

 

 

 

 

「どうしよう、私はどうすればいいの・・」

 

 

なにをどうしていいかわからず、やっとの思いでできたことが、その場から立ち去ることだった。

 

 

Aさんがいる部屋のドアに背を向け、トイレへと逃げ込んだのだ。

トイレの個室に入り、鍵をかけ、火照った顔を両手で抑えながら、気持ちを落ち着けようとした。

 

 

「落ち着け、落ち着け、、」

 

 

それでも心臓はなお、大きな音を立てている。

顔の火照りも治まらず、頭もフラフラする。

 

 

 

 

どうしよう、どうしよう、どうしたらいいの、、

 

 

 

 

頭が混乱するし、体もおかしい。でもどうすることもできない。

私はその場に数分間、立ち尽くした。

 

 

 

 

 

どれぐらい立ち尽くしただろうか。

時間にすると、たぶん2~3分だったと思う。

けれどその時の私は、もっともっと長い時間に感じた。

 

気づけば、顔の火照りも、心臓の大きな鼓動も治まっていた。

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